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JavaScriptのビルトインオブジェクトのメソッドをどう使うか

JavaScriptでオブジェクト自身のプロパティを安全に確認する方法を、hasOwnPropertyとObject.hasOwnの違いから整理します。

公開日
JavaScriptのビルトインオブジェクトのメソッドをどう使うか

こんにちは、Yuriです。

今回は、プロジェクトで「なるほど」と思った、JavaScriptのビルトインオブジェクトのメソッドの使い方を紹介します。

具体的には、オブジェクトが自身のプロパティを持っているか、安全に確認する方法です。仕組みを知っておくと、オブジェクトに同名のメソッドが定義されている場合も意図した判定ができます。

「ビルトインオブジェクト」ってなに?

ビルトインオブジェクトは「組み込みオブジェクト」とも呼ばれ、JavaScriptの実行環境にあらかじめ用意されているオブジェクトです。

ObjectArrayString など、さまざまな種類があります。

詳しくは、MDNの標準組み込みオブジェクトを参照してください。

hasOwnPropertyをインスタンスから呼び出す

まずは、オブジェクト自身が name プロパティを持っているか、hasOwnProperty() で確認してみます。

const obj = {
  name: 'Yuri',
}

obj.hasOwnProperty('name') // true

オブジェクトリテラルで作成した obj は、通常 Object.prototype を継承しています。そのため、Object.prototype に定義されている hasOwnProperty() を呼び出せます。

プロトタイプ継承については、JavaScript.infoのプロトタイプ継承も参考になります。

インスタンスから呼び出す場合の問題

では、オブジェクト自身が hasOwnProperty という同名のメソッドを持っていたらどうなるでしょうか。

const obj = {
  name: 'Yuri',
  hasOwnProperty() {
    console.log('Hello')
  },
}

obj.hasOwnProperty('name') // 「Hello」と出力される

先ほどは true を返していた呼び出しが、今度は Hello を出力しました。

obj 自身の hasOwnProperty が、プロトタイプから継承した同名メソッドよりも優先されたためです。外部から受け取ったオブジェクトなど、自分で構造を完全に管理できない値では、インスタンスから直接呼び出す方法は意図しない結果につながる可能性があります。

また、Object.create(null) で作ったオブジェクトは Object.prototype を継承しないため、そもそも hasOwnProperty() を持っていません。

const obj = Object.create(null)
obj.name = 'Yuri'

obj.hasOwnProperty('name') // TypeError

Object.hasOwnを使う

現在は、オブジェクト自身のプロパティを調べる場合、静的メソッドの Object.hasOwn() を使うと簡潔です。

const obj = {
  name: 'Yuri',
  hasOwnProperty() {
    console.log('Hello')
  },
}

Object.hasOwn(obj, 'name') // true

第1引数に調べたいオブジェクト、第2引数にプロパティ名を渡します。対象のオブジェクトに同名の hasOwnProperty が定義されていても影響を受けません。

Object.create(null) で作ったオブジェクトにも使用できます。

const obj = Object.create(null)
obj.name = 'Yuri'

Object.hasOwn(obj, 'name') // true

古い実行環境も考慮する場合

Object.hasOwn() を利用できない古い実行環境まで考慮する場合は、Object.prototype.hasOwnProperty.call() という書き方もできます。

const obj = {
  name: 'Yuri',
  hasOwnProperty() {
    console.log('Hello')
  },
}

Object.prototype.hasOwnProperty.call(obj, 'name') // true

call() の第1引数に this として扱うオブジェクトを指定し、それ以降の引数を元のメソッドへ渡しています。

この例では Object.prototype が持つ本来の hasOwnProperty() を直接取得し、objthis として呼び出しています。そのため、obj 自身に定義された同名メソッドの影響を受けません。

まとめ

  • オブジェクトリテラルは通常、Object.prototype のメソッドを継承する
  • オブジェクト自身が同名メソッドを持つと、継承したメソッドは隠される
  • Object.create(null) で作ったオブジェクトは hasOwnProperty() を継承しない
  • 自身のプロパティを確認する場合は、基本的に Object.hasOwn(obj, property) を使う
  • 古い実行環境も考慮する場合は、Object.prototype.hasOwnProperty.call(obj, property) を使える

オブジェクトの出所や構造を完全には把握できない場合も、インスタンスの同名メソッドに依存しない呼び出し方を選ぶと安全です。

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